エンシュウ株式会社は、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、TCFD( The Task Force on Climate-related Financial Disclosures/気候関連財務情報開示タスクフォース)の枠組みに基づき開示を充実させていきます。

ガバナンス

 エンシュウは、気候変動への対応を含むサステナビリティ課題への対応として社内に「SDGs委員会」を設置しております。同委員会は、当社グループのサステナビリティに対する取り組みの推進を行い、経営会議に報告し、必要に応じて提言を行う体制となっております。また、同委員会の活動内容については、取締役会に年2回以上報告され、監査等委員会の構成員である取締役は、代表取締役社長を中心としたサステナビリティに関する取り組み状況を継続的に監査しております。

戦略(リスクと機会)

<移行リスク>
 脱炭素化に伴う原材料等の高騰によるコスト増加が見込まれます。また、炭素税などの導入や環境に関する法令などの対応に伴い、事業コストの増加が見込まれます。
 EV化への段階的な移行に伴い部品点数が減少すると言われており、工作機械業界全体として影響が見込まれます。その一方でモーターケースなどのEVに関係する部品加工や、省エネ型機械のニーズの高まりが見込まれ、省エネ型内燃機関に対する設備投資も当面の間見込まれます。また、風力発電などの環境設備投資については増加が見込まれます。

<物理リスク>
 当社高塚工場においては、浜松市の天竜川ハザードマップにおいて、約2mの浸水が1000年に一度程度発生するリスクがあるとされております。当社としては、浜北工場を含め地震や浸水被害などを想定したBCPを推進しリスクの低減に努めてまいります。

<機会>
 当社工作機械事業が得意とする自動化やインテグレート技術をお客様に提供することにより、工場の効率化や環境負荷の低減に貢献することが出来ると考えております。また、軽量化・省エネ機器導入等の省エネ技術を搭載した製品やサービスを提供することでもお客様の環境負荷低減に貢献することが出来ると考えております。

リスク管理

 気候変動に関するリスクについて、エンシュウは事業所別の環境データを毎期測定し、エネルギー使用量及び原単位の推移をモニタリングしております。Scope1 およびScope2のCO2排出量の実績推移も毎期算出しモニタリングしており、合わせて社長が議長を務める経営会議に報告しております。
 SDGs委員会においては、お客様の環境負荷低減に向けた製品開発やサービスの提供、社内設備の環境負荷低減についてなど環境に関する取り組み状況を確認し、推進していきます。また、経営会議に対して活動内容の報告、提言を行い、経営会議は必要な対応策を決議し、実行致します。

指標及び目標

 エンシュウは、気候変動における指標をCO2排出量と定め、当社から排出されるScope1 およびScope2のCO2排出量について算出し毎期モニタリングしております。また、2030年度に2014年度比△38%(売上高原単位)の削減目標を定め取り組んでまいります。目標に向けての取り組みとして、既存生産設備の省エネ(モーター、間欠運転、エアー)、省エネ設備導入(高効率空調、LED)などを計画、推進しております。また2022年度より、Scope3のCO2排出量も算出しております。